高級な鍵

以前の記事でも話題に出したホリというメーカーがある。
ホリは日本を代表する老舗の鍵メーカーである。鍵にかぎらず建築部品を手作業で作っている。
鍵業界にいる人にとってホリのカギは高級錠というイメージがある。
昔ながらの重厚で繊細な装飾も兼ね備えた鉄細工、といったイメージだ。
ミワロックやゴールなど昔からの有名なメーカーはいくつかあるがその中でホリのカギは一線を画しているともいえる。

ホリの鍵が使われているのは主に公共の建物だ。
ホテルや美術館、歴史の長い建物などでも使われている。優美で格調高い美しさのあるホリの建物部品はそのような建物によくマッチするのだ。

ホリの本社も実際重厚なレトロビルである。東京の新橋にある本社にはショールームやギャラリーもあるので実際にホリの商品を見たり購入したりすることができる。レトロビルの愛好家からも人気の高いビルである。

また、見た目だけではなく防犯性にも優れているところが特色だ。それゆえに一般の一戸建てに使われていることもある。
センスのいいお宅の玄関や門扉などにさりげなくつかわれているのを見たりするとこの家は細かいところまで美意識が行き届いた家なのかもしれないな、と鍵屋は思ってしまう。

先日も引き戸の彫り込み錠を門扉のカギとして交換した。
この家の門扉もかなりの価値あるものだと見受けられた。プロの鍵屋ではあるが、こうした製品に触れるとやはり緊張してしまう。